Never let me go

ぼんやりと

夕方のニュースを見ていたら

『遺伝子操作した豚の心臓を人間に移植』

と言うニュースが流れていた。

なんだか

ちょっと怖いなって言うのが

正直な感想。

倫理観とか宗教観とか

そういったものも含めて

怖いと思った。

 

夫の闘病中

主治医と何度も話し合って

最終的には

生体肝移植しか残されていなくて

当然そこを視野に入れていた。

(アルコール性肝硬変は以前書いたように

脳死者からの移植は受けられないので)

私はドナーになる覚悟は出来ていたから

お酒もやめて

ひたすら健康でいられるように努めていた。

変な話だけれど

夫も私もお互い以外は

信頼していなかったから。

 

生きる権利は

誰にでもある。

それは人間にも動物にも。

生態系ヒエラルキー

頂点だろうが底辺だろうが

本来は同等であるべき

権利だと思っている。

過激に走る動物愛護団体の方々に

私は問いたい。

捕鯨をする人間と

ドナーとする為に動物を

繁殖させる人間

一体どちらが正しいのか?

 

カズオ・イシグロの作品に

『私を離さないで(never let me go)』

がある。

映画化されたし

日本でもドラマ化されている。

もしかしたら

あの世界に似た状況が

この世界の片隅に

存在しているのかもしれない…

 

人間は神様じゃない。

神様の領域に

踏み込みつつある行為は

許されるものなのだろうか…

他者の苦痛や犠牲の上に

自分の生命を延命させることは

正しい事なのだろうか…

 

 

 

 

 

追記:人の考えは千差万別。

ただ私個人としては…

全て運命として受け入れて生命を全うしたいと思っている。