お母さんと一緒

以前にも何度か書いている様に

私は実母と仲が悪い。

否、仲が悪いっていうのは

ちょっとニュアンスが違うのだが…

とにかくあまり良い関係を築けていない。

 

母は20歳の終わりに

父とお見合いで結婚し、

22歳になって直ぐに私を産んだ。

(その20カ月後には弟も産んでいる)

あまり裕福ではない

6人兄弟の長女で

やりたい事も我慢してきたせいか

『自分がやりたかった事』を

娘である私に押し付ける。

例えば保育園の頃。

保育園のお稽古ごとで

母は私にバレエを習わせたかったが

私は英会話を選んだ。

中学受験をしたいと言った時も

「フェリス以外ならダメ」と。

お母さん、あなたの娘は

そこまで賢くありません。

アメリカ留学したいと言ったら

「弟が行かないのになんで女の子のあなたが留学するの❓」

と即駄目出しされた。

(因みに従姉妹が叔母と留学でもめた時は

『行きたいっていうんだから行かせてあげなさい』と賛成したっけ)

 

子供時代は母にとって

「良い子」であろうと努力したけれど

大人になって徹底的に反抗した。

母は私、

つまり娘を自分の所有物だと

無意識のうちに思っていたのだろう。

多分それは母自身も

祖父母にそう扱われていたからかもしれない。

(往々にして娘というのは親から多かれ少なかれ

そう言った扱いを受けているのだと思う)

 

夫には母とそんな関係だと

最初から言っていたのだが…

実母、実父、養父と

『親』と呼べる人を全て亡くしている夫は

事あるごとに私に母と

こまめに連絡を取る様に言ってくる。

で、まあ私もいい加減ばあさんになったので

人間も丸くなり…

 

先月母と食事に行った。

我が家の最寄駅か電話をして

戸塚駅で待ち合わせ。

お昼前に戸塚に着いたのだが

母がやって来ない。

まさかと思って実家に電話をかけてみたら…

「えっ?もう着いたの。今から家出るわ」

もう笑うっきゃない。

無事落ち合って焼肉屋さんでランチ。

勿論お互い生ビールをゴクゴク(笑)

40歳過ぎてからお酒の味を覚えた母は、

立派な酒豪になっている。

もうね、反発とかそんなのは無くって

「この人が生きている間に

できるだけ美味しいもの食べに連れて行ってあげよう」

ってな気分しか無い。

母も77歳。

でも…100歳まで生きそう。

そりゃ加齢で色々弱くなってきているけれど

背筋もシャンとしてるし

ボケてもいない。

髪は真っ白だけれど肌はきれいでシワも少なく。

 

明日夫のお使いで藤沢まで行く。

お昼には大好きな天ぷら屋さんでランチ。

「明日さあ、お義母さんも連れて行ってあげなよ。

戸塚まで送り迎えしてあげて」

夫がそう言った。

そうだね、そうしよう。

明日はお母さんと一緒だ。