記憶の中の味

私の中の
一番古い家の記憶は
1歳くらいの頃に住んでいた
鶴見区は末吉のアパートだ。
まあ残念なことに
上末吉だったのか下末吉だったのかは
忘却の彼方なのだけれど(笑)

そのアパートは
昔ならありふれた造り。
玄関は2家族共用。
玄関扉を開け階段を登り
左右に1部屋づつ割り振られていた。
我が家は左側、
右側の家は新婚の若夫婦。
多分母は弟を身籠っていて
体調があまり優れなかったのだと思う。

右側の家の奥さんが
いつも私と遊んでくれた。
よくその奥さんがくれたオヤツが
ロールサンドだった。
サンドウィッチ用の白パンに
エヴァミルクを塗って
クルクルっと丸めたやつ。
私はそれが大好きで
そのオヤツを作ってくれる
その奥さんも大好きだった。

今でも時々
あの時のロールサンドの味を思い出す。
それは未だにとても鮮明で
あの優しかった奥さんが
今何処でどうされているのかと
思い馳せてみる。
きっと幸せな優しいおばあちゃまに
なっているんだろうな…